田嶋心理教育相談室へようこそ!

―― 東京福祉大学事件のその後(和解後の状況のご報告) ――

文科省前にて街宣行動!   NEW!!  
2017年6月16日の東京総行動に参加し、文科省前での街宣行動チラシ(下記)配布を行いました。

「セクハラ等対策専門部会」に申し立てを送信しました
2017年3月21日、東京福祉大学セクハラ等対策専門部会に「パワハラについてのご相談です(再送信)」というメールを送信しました。以下にその全文を掲載します。

【2016年11月23日付で、セクハラ等対策専門部会に「パワハラについてのご相談です」とのメールを差し上げてから、ほぼ4ヵ月が経過しようとしています。しかし、まったくご回答がありません。元々、もう9年も前の、元総長による強制わいせつ事件を踏まえて、文科省の肝いりで設置されたセクハラ等対策専門部会であったと思います。大学内部での自浄作用を期待しての設置であったはずですが、何のご回答もないのはどうしたことでしょうか。もう一度、昨年11月23日と同じメールを再送信いたしたいと思います。どうか適切なご判断と誠意のあるご回答を、今年度中(3月末日まで)に、宜しくお願い致します。
          2017年3月21日   東京福祉大学心理学部教授   田嶋 清一】

 私は、東京福祉大学教員の田嶋清一です。
 セクハラ等対策専門部会に申し述べます。
 私は5年前に、理不尽な雇止め(2011,10,6付)を受けて以来、つい先月(2016,10,6)も、雇用契約書(2016,4,20付)に反して、秋学期の授業を一切させないという通達を受けるなど、パワハラと思しき行為を大学から受け続けています。そのことについて、セクハラ等対策専門部会の適切なご判断と対処を仰ぎたいと思っています。

 これまでの経過を申し上げます。
 東京福祉大学元総長中島恒雄氏は、2年間の服役後、2010年7月7日に出所し、その翌日から、自らの影響力が低下していないことを誇示するためと、他への見せしめのために、学長・校長・事務局長以下教職員の解職降格処分を大々的に行いました。そして、その一環として、元総長中島恒雄氏と取り巻きの古手大学職員は、私(田嶋清一)に見せしめとも言える当該年度末での雇止め通知を行いました(2011,10,6付)。それに対して、私が弁護士名で雇止め通知の合理的理由の説明を求める通知書(2011,11,14付)を送付したところ、元総長中島恒雄氏は、電話にて「地獄行きたいのか、おまえ」「弁護士断って降ろしとけ」と私を脅迫しました(2011,11,17)(一審甲58号証)。
 しかし私が弁護士を降ろさず、解雇無効確認訴訟を起こした(2012,1,25付)ところ、元総長中島恒雄氏は、今度は、私がやってもいない「(3年前に卒業した)院生へのセクハラ・パワハラ」を、私から一切の事情聴取をすることなく、取り巻きの古手大学教職員との組織ぐるみで捏造して、私は懲戒解雇にされました(2012,3,16付)。そして、やはり、一切の事情聴取をされることもなく、「セクハラ・パワハラ」という捏造した理由により、当時就いていた大学評議員職を解任されました(2012,3,29付)。
 しかし、私は東京福祉大学を相手取って解雇無効確認訴訟を継続して、その結果、一審東京地裁、二審東京高裁において、共に「原告が院生へセクハラ・パワハラに及んだとの事実は認められない」として大学への敗訴が言い渡され、去年1月29日に確定した二審判決「本件雇止めは無効であって、本件雇用契約は更新前と同様の条件で更新されていると認めるのが相当である」に基づき、去年2015年2月3日に東京福祉大学に復職したのです。

 しかしながら、復職後も、いっさい授業をさせない・その予定もないとの通告を受けるなど、いじめ、嫌がらせが続いたため、2015年3月24日労働審判を申し立て、7月3日審理終結し、申立人の主要な主張が認められましたが、大学側が(結論の先送りにも等しい)異議申立てをしたため再び訴訟に移行しました。

 そこで、私は、はじめて、判決でいくら勝訴しようとも、東京福祉大学は判決を無視し続けるのだ、ということに気づきました。そこで、労働組合に入ることを決心し、交通ユニオンに加入し、弁護士も変更して、新たに労働組合と連携できる弁護士に依頼をしました。そして裁判資料をホームページにアップし、裁判の経過及び、留学生が大切にされているとは言えない東京福祉大学の現状(元総長中島恒雄氏が8年前の性的犯罪事件以来、現在も真に更生してはいない、と考えざるを得ない、女性留学生に対する性的トラブルに関する情報を含む)を掲載しました。交通ユニオンの活動として東京福祉大学伊勢崎キャンパス前(2016,2,4)、及び文科省前(2016,2,19)での街宣活動も行いました。

 そうしたところ、田嶋名義のホームページの内容を取り下げるのと引き替えに大学は田嶋の要求(本年秋学期から学部2コマと大学院2コマの授業を行わせるという要求を含む)を一定程度認めるという条件での2016年3月29日付の東京地裁による和解が成立したのです。

 しかし、その翌週、田嶋および交通ユニオンを共に被告として訴状が届きました(2016,4,5)。それは元総長中島恒雄氏による、5500万円支払えとする、新たな報復的損害賠償請求訴訟(SLAPP訴訟)(東京地裁2016,3,1付)でした。しかし、これは、田嶋清一による一審二審労働審判での勝訴を無視するものです。そして、田嶋清一及び交通ユニオンによる、東京福祉大学の現状を民主化して改善しようとする正当な権利行使に対して恫喝するものであると思われます。

 ところが、先月になって、さらに、2016年10月6日木曜日の正午頃に、翌日10月7日から始まる学部と大学院の秋学期授業を、田嶋先生には、やってもらわないことになった、との通達を手島心理学部長と鶴心理学研究科長から受けました。理由を尋ねると、分からない、伊藤事務局長からの指示です、と言われました(なお、ある種の案件における「伊藤事務局長からの指示」が、東京福祉大学に対して法律的には何の権限もないはずの「元総長中島恒雄氏からの指示」であることは、本学における公然の秘密です)。
 秋学期の授業については、本年4月20日付の雇用契約書に従って、すでに数週間前から具体的な授業計画(日程や他の教員との具体的な分担、使う教科書に至るまで)を手島心理学部長及び鶴心理学研究科長と共に立てていたにもかかわらず、前日に、それを覆す通達を受けたのです。午後2時頃、伊藤事務局長に電話で尋ねたら、授業をやらせない理由は、田嶋のHPに裁判関連の記事を載せているからだ、と言われました。
 しかし、この記事は、元総長中島恒雄氏が、田嶋および交通ユニオンを共に被告として、理不尽にも「5500万円支払え!」と提訴してきた、恫喝とも言える報復的損害賠償請求訴訟(SLAPP訴訟)に対する反論の必要性から組合活動として掲載しているものです(最近の裁判資料、原告第2準備書面(9月20日付)と被告準備書面2(11月8日付)を下に添付します)。
 手島心理学部長と鶴心理学研究科長が承諾し、和解に基づく雇用契約書(2016年4月20日付)にも記載されている担当授業を持たせないのは、雇用契約に違反するものです。

 また、去年2月3日の復職以来、私は、大学から(いっさい授業をさせない・その予定もないとの通告以外にも)以下のようなパワハラを受けてきました。
 例えば、インターネット学内情報からの遮断、研究室の電話がどこへも通じない、他の教職員との会話(挨拶など)を妨害される、研究室の前の名札の不設置、身分証・名刺の不交付、教授会及び全体ミーティングでの発言禁止、発言すれば不規則発言とみなし懲戒処分にするとの伊藤事務局長による通告、教授会へ出席しても議事録に出席教員としての名前を掲載されない、トイレに行く際にも研究室を出る都度の報告義務を課される、研究室のカギを自己管理させず朝夕総務課での受け渡しを求められる、(裁量労働制を取っているはずの)教員の中では唯一人朝9時夕方6時に総務課でタイムカードの打刻を求められる、手島心理学部長・鶴心理学研究科長・中里臨床心理相談室長の連名による(田嶋教授の)准教授への降格の通告、学内で原告に協力し情報提供してくれる教職員に対する手島心理学部長及び鶴心理学研究科長による弾圧(協力教職員は遠隔地への異動を恐れるに至った)、給与5分の2にカット、賞与なし、研究費なし、などというパワハラ(いじめ・嫌がらせ・見せしめ)を受けたのです。

 しかし、今年も、東京地裁の和解条項(3月29日付)に基づく雇用契約書(4月20日付)に違反して、教授であるのに授業をさせないとすると、丸2年にわたってただ研究室にいさせるだけ(ほとんど何もさせない)になり、これは正に人権侵害(パワハラ)と言わざるを得ません。
 また、東京地裁の和解条項に基づき、今年4月14日に、東京福祉大学水野理事長によって「田嶋清一先生に対する遺憾の意の表明」(田嶋HP、及び暁法律事務所HP【http://www.ak-law.org/news/1616/】参照)が、全教職員が集まる全体ミーティングにおいて、全教職員に向けて読み上げられましたが、これは形式的な謝罪のふり、ポーズに過ぎなかったことになります。
 それ故、私としては、東京福祉大学が、田嶋への度重なる人権侵害(パワハラ)をやめ、雇用契約書に従って、学部と大学院での授業をさせることを求めています。

 また、東京福祉大学は、2000年に開学しているのですが、その前身である東京福祉保育専門学校時代以来、今日まで数十年にわたり、元総長中島恒雄氏とその取り巻きによる、パワハラ・セクハラによって多くの教職員が退職している「(教職員の)回転が速い」学校であること、有能な教職員がある日突然、周りの人には理由の分からない形で退職させられていることなどは、知る人ぞ知る事柄です。

 セクハラ等対策専門部会におかれましては、事実関係をお調べの上、中島氏による不当な大学支配と、それに基づく、大学による教職員への不法な行為がその後も継続している事情をご賢察いただき、適切なご判断と対処をお願いいたします。

2016年11月23日

東京福祉大学教授 田嶋清一
〒●●●-●●●● ●●●●●●●●●●●●

東京地方裁判所へ「準備書面2」を提出しました
原告側が東京地方裁判所へ提出した、「第2準備書面」に対する、反論と被告側の主張として、下記の「準備書面2」を提出しました。以下にその全文を掲載します。

平成28年(ワ)第●●●●号 損害賠償請求事件
原 告 ●●●●
被 告 田嶋清一 外1名

準備書面2

2016年11月8日

東京地方裁判所民事第16部合議2B係 御中

被告訴訟代理人弁護士 萩 尾  健 太

同   指 宿  昭 一

同   中 井  雅 人

第1 原告の主張に対する認否反論
 1 「1 違法性阻却の主張について」について
  ⑴ 「⑴公共性・公益性」について
   ア 第1段落について
   原告の主張は判然としないが、被告が準備書面1よりも前に、すなわち答弁書において「原告が本件NPO法人の理事及び保育園の理事長に就任している」事実を指摘しなかったことを理由に、公共性・公益性が存在しないと主張するのであれば争う。公共性・公益性の主張は名誉毀損に対する抗弁なのであるから、主張書面において主張するべき事実であり、かつ「準備書面1」で主張するのは「時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法」ではないことも明らかである。そもそも、理事や理事長への就任の事実自体が本件での公共性・公益性の要件事実であり、「準備書面1において、初めて…就任している事実を指摘」していることは、公共性・公益性の要件事実とは無関係であり、法的に無意味な主張である。そのため、「準備書面1において、初めて…就任している事実を指摘」していることは、何ら公共性・公益性を否定する理由にはならない。
   また、原告は「理事や理事長に就任することは、法律上何ら問題の行為ではない」と主張するが、被告も原告が理事や理事長に就任することが違法だと主張しているわけではない。被告は、理事や理事長の地位と被告らが摘示する性的暴行等の事実の関連性の高さから公共性・公益性が認められると主張しているのである(被告ら準備書面1第2の1⑵)。
   このように要件事実とは無関係な主張をしておきながら、被告らの確立した最高裁判例に基づく公共性・公益性の抗弁について「犯罪行為である」と記載した第2準備書面を裁判所において陳述するのは、「品位を失うべき非行」と言わざるを得ない(弁護士法56条1項)。
 イ 第2段落について
   争う。
   原告は、「思い込んでいる」から「私怨を晴らす目的」でなされたと主張しているが、論理的に誤った主張である。論理的には「原告が訴外●●●●大学に指示して行ったものであると思い込んでいる」のであるから、原告個人のことを問題にしているのではなく、大学民主化が目的であり、「私怨を晴らす目的」ではないとなるはずである。
   被告田嶋は、繰り返し、「一部教職員の間で密かに『恐怖政治』という言葉が囁かれて久しい現状に対して、大学は元総長による裏支配・恐怖政治を排除して、民主的な運営を行え!」(甲6・2頁、甲8・2頁等)と主張しているのであり、私怨ではなく、大学民主化を目的としていることは明らかである。
 ウ 第3段落について
  争う。
   原告は、判決文(甲12)をインターネット上で公開する行為が、「公益目的からなされたものであったとしても」、「許容される限度をはるかに超えている」などと主張するが、その意味するところが不明であるだけでなく、公共性・公益性の要件事実とは無関係な主張である。
   また、「公益目的からなされたものであったとしても」、公共性・公益性が認められないという趣旨なのであれば、論理矛盾を起こしている。
⑵ 「真実性」について
  争う。
   通知書(甲14)は、具体的に性的暴行事件の内容を指摘しているにも関わらず、原告は、具体的に反論しないだけなく、何ら反論をしていない。性的暴行が存在しないと主張するのであれば、その性的暴行の存在を具体的に指摘する通知書(甲14)に具体的に反論するのが合理的な行動である。そうすると、通知書に何ら反論しない原告の態度からすると、原告は、通知書に対して反論することができない、すなわち通知書(甲14)に記載された性的暴行が真実であることが推認される。
   また、被告田嶋は、協力者を通じて、通知書(甲14)を入手した。被告田嶋は、同協力者から同通知書が弁護士によって作成されたものだということが確認されている旨を聞いていた。被告田嶋が、高度の職業倫理を有する弁護士(弁護士法1条、56条等)が作成した通知書(甲14)の内容を真実だと信じるのには相当の理由があるといえる。

2 「プライバシー侵害について」について
  争う。
   原告は、刑事確定記録法を根拠に、プライバシー侵害の程度が大きい旨主張する。しかし、刑事確定記録法4条1項は「保管検察官は、請求があつたときは、保管記録を閲覧させなければならない。」と規定しており、同法は「記録」の原則公開を規定している。本件で問題となっている判決文(「裁判書」)は、同法4条2項2号の閲覧制限事由(被告事件の終結後、3年経過)から特に除外されている記録であり、憲法82条の公開原則の趣旨からも特に公開されなければならないものである。また、原告が挙げる同法4条2項4号や5号の閲覧制限規定も、「著しい」弊害を要求しており、例外的な閲覧制限を厳格に制限している。そうすると、刑事確定記録法の規定によって、プライバシー侵害の程度が大きくなるわけはない。むしろ、前記のように同法及び憲法82条が「裁判書」をできるだけ公開する趣旨であることからすると、プライバシー侵害の程度は小さいといえる。
   また、そもそも、原告から閲覧制限がかかっていたことは立証されていないが、原告の性的暴行等の事実が多数報道されていて公知の事実になっていることは当事者間に争いのない事実であり、仮に閲覧制限がかかっていたとしても、プライバシー侵害の成否に影響を与えるものではない。

3 「被告らの悪質性」について
 ⑴ 「原告の社会貢献」について
  ア 「●●●●保育園の理事長就任」について
  (ア)第1段落について
   「何かお役に立ちたいと考えていた」、「過去の事件に対する深い反省の意も込めて」は否認し、その余は不知。第2で後述するように、原告は過去の事件について反省していない。
 (イ)第2段落
    認める。
   しかし、前記第1の1⑴アで述べたとおり、被告らは原告が理事や理事長に就任することが違法だと主張しているわけではない。被告は、理事や理事長の地位と被告らが摘示する性的暴行等の事実の関連性の高さから公共性・公益性が認められると主張しているのである(被告ら準備書面1第2の1⑵)。
  イ 「本件NPO法人の理事就任」について
  (ア)第1段落について
   「社会のお役に立ちたいと考えて」、「過去の事件に対する深い反省の意も込めて」は否認し、その余は不知。第2で後述するように、原告は過去の事件について反省していない。
(イ)第2段落
   認める。
   しかし、前記第1の1⑴アで述べたとおり、被告らは原告が理事や理事長に就任することが違法だと主張しているわけではない。被告は、理事や理事長の地位と被告らが摘示する性的暴行等の事実の関連性の高さから公共性・公益性が認められると主張しているのである(被告ら準備書面1第2の1⑵)。 
  ⑵ 「原告の社会貢献に対する妨害」について
   ア 第1段落
   原告が「過去の事件を真摯に深く反省しており」、「社会復帰すると努力している」は否認し、その余不知。第2で後述するように、原告は過去の事件について反省していない。
   イ 第2段落から第6段落について
     争う。
   認否をするまでもなく、主張の趣旨が不明である。「法令違反」、「処罰されるべき」、「悪質」、「留学生や保育園関係者が迷惑を被り被害を受ける」などと主張するが、そのことが本訴訟の要件事実との関係でどのような意味を持つのかが不明である。
   仮に、「損害」額のための事実主張をしていると捉えたとしても、「損害」額が1億円であることの主張立証はなされていない上、被告らの「行為」と原告の「損害」1億円との間に因果関係が認められるとは到底考えられない。そもそも「留学生や保育園関係者が迷惑を被り被害を受ける」ことは原告の「損害」とは無関係である。

第2 被告らの主張
 1 本件訴訟がスラップ訴訟であることについて
  ⑴ スラップ訴訟とは
    スラップ(SLAPP)とは、strategic lawsuit against public participationの略語であり、「公共的・社会的活動の妨害を目的とする戦略的訴訟」、「公的意見表明の妨害を狙って提訴される民事訴訟」などと訳されている(乙8)。スラップ訴訟は次のような特徴を有するとされている(乙8)。①民事訴訟の形式をもつ。②被告に運動や言論を萎縮させるに足りる巨額な請求をしている。③被告の正当な言論・業務、正当な市民運動を抑制し萎縮せしめる目的をもって提起される。④権力ないし社会的強者が原告となって比較弱者を被告とする。
  ⑵ 本件訴訟について
   ① 本件訴訟も民事訴訟の形式をとっており、それゆえ被告らは応訴を余儀なくされている。
   ② 本件訴訟の請求額は、5500万円であり、第2準備書面においては「損額についても5000万円どころか、1億円かそれ以上になるものと評価されてしかるべきである。」と主張している。大学教員である被告田嶋にとっても、労働組合である被告組合にとっても、自身が有する経済力からして1000万円を超える請求は明らかに「巨額」な請求であり、まして「1億円かそれ以上」となると、恐怖すら覚える額である。したがって、原告の請求額は、被告らの組合活動や言論活動を萎縮させる巨額なものである。
     また、名誉毀損に基づく損害賠償請求の認容額相場が概ね100万円前後であることと比較しても、原告の請求が異常に高額であることがいえる。原告はその50倍の額を請求し、その100倍以上の額を損害として主張しているのである。本件訴訟が、本人訴訟ではないことからすれば、原告も異常に高額な請求をしていることは認識しており、それゆえ、原告はその高額請求による被告らに与える威嚇効果も認識した上で提訴しているといえる。
   ③ 原告提出の甲6・2頁、甲8・2頁等に「一部教職員の間で密かに『恐怖政治』という言葉が囁かれて久しい現状に対して、大学は元総長による裏支配・恐怖政治を排除して、民主的な運営を行え!」と記載しているのであり、被告らが、大学民主化を目的とした正当な活動を行っているのは明白である。これに対し、原告は、前述してきたように損害額について十分な根拠示さず、要件事実とは関係のない主張を多数行うなどしていることからすると、本件訴訟は、被告らの正当な活動を抑制し萎縮せしめる目的をもって提起されたものだといえる。
   ④ 第2の2で述べるように、原告は●●●●大学に対し強大な影響力を有していることから、権力ないし社会的強者だといえ、対して一般人である被告らは、原告と比較すれば弱者である。
    ①~④からもかわるように本件訴訟は、典型的なスラップ訴訟だといえる。
  ⑶ 女性留学生に対する反訴について
   被告準備書面1の第2の1⑴で述べたように、原告は性的暴行とも評価できる性的関係の強要に起因するトラブルを理由に女性留学生から損害賠償請求の提訴をされており、同事件は東京地裁民事43部に係属している(原告:●●●●●●● 被告:●●●●外 平成28年(ワ)●●●●●号)。
   2016年8月25日、原告は、この女性留学生に対し、1100万円の損害賠償を求める反訴を提起している(平成28年(ワ)●●●●●)。原告は同反訴で、原告と女性留学生の関係が真実の恋愛関係であるにもかかわらず、女性留学生が、意思に反して性的行為を強要されたと虚偽の主張を公開の法廷で行ったことにより、原告の社会的名誉が著しく毀損された旨主張しているようである。
   1100万円の請求額は、それ自体高額であるが、女性留学生の母国の通貨価値が円に比べて非常に低いことも考慮すると、1100万円の請求額は極めて高額な請求である。原告が訴外NPO法人日本・留学生交流援護会の理事に就いていること等からすると、原告も、1100万円の請求が女性留学生にとって特に高額な請求になることを認識していたといえる。前述のとおり名誉毀損に基づく損害賠償請求の認容額相場が概ね100万円前後であることからしても、1100万円の請求というのは、異常な請求額である。
   また、原告の反訴の理由は提訴自体が名誉毀損だというものであるから、提訴そのものを萎縮させる反訴だといえる
   したがって、原告の女性留学生に対する反訴も典型的なスラップ訴訟だといえる。

 2 大学に対する強大な影響力
   答弁書第3及び準備書面1第2の1⑵において述べたとおりであるが、原告が●●●●大学に強大な影響力を及ぼしていたことについて改めて整理する。
 ⑴ ●●●●大学からの多額の報酬の受領
   原告は、平成22年7月から、●●●●大学事務総長として雇用され、法人運営に関与してきた(乙7)。平成22年9月末、●●●●大学は、原告の雇用自体は解消したが、原告を一切大学法人に関与させない旨の文科省への報告後も、原告に対しコンサルタント料という名目で約1941万円の支払いをしていた(乙7)。それだけでなく、文科省の大学設置・学校法人審議会によると、元理事長である原告の大学法人に対する影響力の排除に関する実効性が担保されているか疑義があると認定され、●●●●大学に学部等の新設を認めない旨の答申がされているのである(乙7)。
   原告が●●●●大学に対し、強大な影響力を有していなければ、出所直後に、刑事事件の現場となった大学法人に雇用されることなどあり得ない。まして、雇用を解消した後も、約1941万円もの金銭の支払いを大学法人から受けることができるなど、●●●●大学に対し、強大な影響力を有していなければ実現不可能なことである。これと、文科省審議会の答申及び乙4における原告の指示内容をも合わせ考えれば、少なくとも2012年の時点においては、原告が●●●●大学に対し、強大な影響力を有していたことに疑いはない。
 ⑵ 経営学部運営会議における発言
   原告は、2011年9月21日、●●●●大学経営学部の認可申請中に開催された同学部の運営会議に出席し、その発言回数からしても会議を主導していたことが認められる(乙9)。また、原告は、同会議において、被告田嶋に対し「来年は首だぞ」(乙9・23頁~24頁)と述べるだけでなく、他の教職員についても首にすると宣言していること、「首になる前に何かましなことをやってみろ」(乙9)と述べて被告田嶋を含めた出席者に要求していること、経営学部が認可されたら72億円入ることなど経営学部新設によりいかに利益を得るかについて執拗に発言していることが認められる(乙9)。
   このような原告の発言回数及び発言内容からすると、原告は、少なくとも2011年9月21日の時点で●●●●大学の運営を支配していたといえる。
 ⑶ 原告の被告田嶋に対する度重なる恫喝
   被告田嶋は意見陳述において、原告の被告田嶋に対する度重なる恫喝の具体例として、原告が、被告田嶋に対し、原告の妻と長男に働きかけて両名が就任している●●●●専門学校の理事長職と理事職を辞退させろ、それができなければ、被告田嶋を首にすると何度も発言したことを述べた。
   この主張に対し、原告は、「原告から度重なる恫喝を受けた旨再三述べているが、これは被告田嶋の思い込みに基づく根拠なき主張である。原告は、当時から現在に至るまで、良好な親子関係を継続している長男に関し、かかる記載をされたことについて、強い憤りを感じている。」と主張するが、事実に反する主張である。たとえば、2011年9月22日、原告は、被告田嶋に対し、原告の息子の●●を●●●●専門学校の経営から降ろさなければ被告田嶋を首にする等の発言をしている(乙10)。
   このように原告が●●●●大学教員である被告田嶋に対し、首にすることを脅し文句にして恫喝していること、●●●●大学のグループ校である●●●●大学専門学校の理事長及び理事の人事について発言していることからすれば、少なくとも、2011年9月22日の時点で、原告は●●●●大学の運営を支配していたといえる。
 ⑷ ●●●●大学に対する指示
   東京地裁平成26年2月18日判決(乙2)・東京高裁平成27年1月15日判決(乙3)の解雇無効確認等請求事件で提出した訴外学園のテレビ会議の録音音声データ及び同反訳書(乙4)によると、原告は、被告が提出した卒業生の陳述書が邪魔になるとの認識から、訴外学園のテレビ会議で、教職員らに陳述書を書いた卒業生に対して「被告田嶋に頼まれて書いた、本当はあんな事思っていない」などという内容の電話での聞き取りをして聴取書を証拠として提出するよう命じていたことが認められる。原告は同学園に対し、裁判に提出する証拠の捏造を指示できるほどの強い影響力を有していたことは明らかである。
   なお、原告は、この点について何ら理由を述べることなく、否認している(第1準備書面・5項〔10頁〕)が、訴外学園のテレビ会議の録音音声データ及び同反訳書(乙4)の存在から、原告の同学園に対する影響力の強さは明らかである。
 ⑸ 小括
   以上⑴~⑶のような強大な影響力は突如として失われるのは通常考えられないこと、原告が現に●●●●大学と密接に関係する●●●●保育園・本件NPO法人の理事長・理事の地位にあること、原告の影響力を否定する事情が一切ないことからすれば、原告は、現在においても●●●●大学に強大な影響力を及ぼしていることが強く推認される。

 3 前科公表の必要性
   原告が実刑判決を受けた強制わいせつ被告事件(甲12)は、大学総長であった原告が、同大学の女性教職員複数名に対し、その権力関係を利用して、強制わいせつを行った事件である。罪名自体が強制わいせつという重大な人権侵害事件であること、大学総長という立場にある者が大学内で犯行を行ったという悪質な犯行態様などから、広く報道され、社会的にも大きく注目された事件である。大学の存亡自体が問われるほどの大事件である(現に原告の影響力を排除できていないことを理由に新学部等の設立が承認されなかった。)。
   それにもかかわらず、2011年9月15日、原告は、「女の変な連中が大げさに言ったとか、それは警察が女の旦那に電話するから女は自分の身の潔白だということでワーワーワーワー言ったんだろう」(乙11・1頁)などと述べ、実刑判決を受けた自己の犯罪行為を反省しないだけでなく、性的暴行の事実を否認した上に、被害者が性的暴行事件を捏造した趣旨の発言を繰り返しているのである(乙11)。原告が●●●●大学に強大な影響力を有していること、原告が反省しないだけでなく被害者を侮辱するような発言をしていることからすると、原告が大学関係者に対する性的暴行事件を繰り返し発生させることが強く想定された。そこで、被告田嶋は、原告が否定している性的暴行が、具体的記載されている判決文をインターネット上で公開することで、原告による性的暴行の新たな被害者が生まれることを防止しようとしたのである。
   たしかに、同じことを実現する手段として、大学内で判決文を引用したビラを配るなどの方法もあり得るようにも思える。しかし、大学内には大学の施設管理権が及んでおり、実際に、大学は被告らの大学内でのビラ配布を拒絶する姿勢を示しているから、被告らは大学内での組合活動はできないのであり、大学内でビラを配る方法は実際には取り得ないのである。
   したがって、●●●●大学への強大な影響力を有する原告の再犯や不当な大学支配を抑止するには、原告が実行した性的暴行が具体的に認定されている判決文をインターネット上で公開する必要性が極めて高かったのである。


以 上

交通ユニオンから大学へ抗議文を郵送しました

2016年10月6日木曜日の正午頃、翌10月7日から始まる学部と大学院の秋学期授業を、田嶋先生には、やってもらわないことになった、との通達を●●心理学部長と●心理学研究科長から受けました。理由を尋ねると、「分からない。伊藤事務局長からの指示です」と言われました。秋学期の授業については、すでに数週間前から具体的な授業計画を●●心理学部長及び●心理学研究科長と共に立てていたにもかかわらず、です。

午後2時頃、伊藤事務局長に電話が通じたので尋ねたところ、田嶋のHPに裁判関連の記事を載せているからだ、と言われました。しかし、これは元総長●●●●氏が理不尽にも提訴した、恫喝とも言える損害賠償請求訴訟(田嶋および交通ユニオンに対する5500万円の支払請求)に対する反論の必要性から組合活動として掲載しているものであり、今年(2016年)3月29日の和解条項に反するものではありません。にもかかわらず、雇用契約書(2016年4月20日付)に記載されている担当授業を持たせないのは、それこそが雇用契約に違反するものです。

よって、このような人権侵害とも言える大学のやり方に強く抗議します。
なお、交通ユニオンから大学へ10月12日付で郵送した抗議文については、以下を参照。

  交通ユニオンから大学への抗議文(2016年10月12日付)

東京地方裁判所へ準備書面を提出しました

原告側が東京地方裁判所へ提出した、「第1準備書面」に対する、反論と被告側の主張として、下記の「準備書面1」を提出しました。以下にその全文を掲載します。

平成28年(ワ)第6692号 損害賠償請求事件
原 告 ●●●●
被 告 田嶋清一 外1名

準備書面1

2016年8月5日

東京地方裁判所民事第16部合議2B係 御中

被告訴訟代理人弁護士 萩 尾  健 太

同   指 宿  昭 一

同   中 井  雅 人

第1 原告の主張に対する認否反論
 1 「1 被告の求釈明に対する回答」について
  ⑴ 原告が訴外学園の経営から退いた「諸事情」について
   原告が訴外学園の経営から退いた理由である「諸事情」は、原告が名誉毀損に該当すると主張する事実、摘示された事実によって社会的評価が低下するか否かに密接に関連するものであるところ、釈明の必要性は極めて高い。
  ⑵ 「名誉毀損に該当する事実摘示部分の特定について」について
   ア 「ア 該当ビラ」について
     第1段落は認め、その余は争う。
   イ 「イ 週刊新潮」について
     第1段落は認め、その余は争う。
   ウ 「ウ 東京地方裁判所の判決文」について
     第1段落及び第2段落は認め、その余は争う。
   原告が第2段落で記載する「判決文」のうちどの部分を摘示することが名誉毀損に該当するのか明らかにされたい(求釈明
   エ 「エ 原告が受け取った通知書」について
     第1段落は認め、その余は争う。
   原告は第2段落において「全く事実に反する記載が存在する」と主張するが、真実性の立証対象を特定できないため、具体的にどの記載が事実に反するのか明らかにされたい(求釈明)。
   オ 「オ 週刊新潮平成22年7月29日号の記事」について
     第1段落は認め、その余は争う。
  ⑶ 「⑶ 女子留学生に対する解決金の支払いの有無及び金額について」について
    解決金支払いの有無及びその金額は、平成24年6月6日付通知書の内容の真実性(前記1⑵エの求釈明とも関連。)、原告が何度も主張する原告の「更生」「社会復帰」の存否を判断する上で不可欠な事実であり、本件争点と密接に関連するものである。多額の和解金を支払った事実は、平成24年6月6日付通知書の内容の真実性を推認させると同時に、原告が「更生」「社会復帰」などしていないことを推認させるからである。
    また「相手方である女性留学生のプライバシーにかかわる事項」であることは認めるが、プライバシーにかかわる事項だからこそ、被告側で調査できないのである。釈明の必要性は明白である。
  ⑷ 「⑷ 『社会復帰』の意味について」について
   被告らは、答弁書第2の4⑷イ〔6頁〕において、「原告が主張する『社会復帰』は、訴外●●●●大学(以下、単に「●●●●大学」ともいう。)において一定の地位に就くことを意味しているのかどうか明らかにされたい」と釈明を求めた。これは、「社会復帰」の定義の釈明を求めているわけではないし、まして揚げ足をとっているわけではないことは明らかである。原告自らが主張しているところからも明らかであるが、「社会復帰」の存否及びその内容は、事実摘示による社会的評価低下の有無、公益性、真実性等、本件のあらゆる争点と関連するものであり、被告らの求釈明の中でも、もっとも釈明の必要性の高いものである。
   原告が主張する「社会復帰」は、●●●●大学において一定の地位に就くことを意味しているのか、そうでないのであれば、「社会復帰」の具体的内容を明らかにされたい(求釈明)。

 2 「2 プライバシーの侵害について」
  ⑴ 「⑴ 最高裁判所平成6年2月8日判決」について
   最高裁平成6年2月8日判決(甲21)が存在することは認めるが、本件に射程が及ぶものではない。
   なお、最高裁平成6年2月8日判決は、「プライバシー」という文言は使用していない。
  ⑵ 「⑵ 本件ではプライバシー侵害が認められること」について
   ア 第1段落について
   原告が愛知県において平穏な生活を送っていることは不知、その余は否認ないし争う。
 イ 第2段落について
   争う。
   原告が「関連性がなく、必要性がない」という理由が不明であるが、この点はおくとしても、原告は、訴外学園に強大な影響力を有しているのであるから、被告らとしては訴外学園の健全化のためには、原告が過去に強制わいせつ被告事件で懲役刑を受けた事実、出所後も女性留学生に対する性的暴行とも評価できる事件を発生させている事実を摘示することは必要不可欠である。このように関連性も必要性も高度に認められるのであるから、被告らの悪質性は皆無である。
 ウ 第3段落について
   争う
 エ 第4段落及び第5段落について
   原告が引用する甲22及び甲23の判決が存在することは認めるが、前記2⑴と同様、本件とは事案を異にするため射程が及ばない。
 3 「3 被告田嶋意見陳述について」
   原告の内心については不知、その余は否認ないし争う。
   なお、原告は「本件ホームページ上の記載を抹消していただきたい。」と主張するが、この点は本件の争点とは無関係であり、認否の限りでない。
 4 「4 被告らによる新たな名誉毀損行為」について
   甲24及び甲25の記事を掲載したことは認め、その余は争う。
   前科の公表を複数回行う被告らの態度から、「原告に対する強い悪意が感じとれ…被告らの行為が公益目的であるはずがない」というのには看過し得ない論理の飛躍がある。公表を複数回行っているのは、その必要性が存在するからであり、公表が複数回であることをもって公益目的がないと判断されるのであれば、本件のようなケースにおいて、およそ公益目的の前科等公表が存在し得ないことになる。
 5 「5 被告らの主張に対する認否及び反論」について
   争う。

第2 被告らの主張
 1 名誉毀損について
  ⑴ 名誉棄損の存否について
   名誉とは各人がその性質・行状・信用等について世人から相当に受けるべき評価を標準とするものであるから、ある行為が他人の名誉を毀損するかどうかを決めるには、単にその行為が性質上一般に人の名誉を毀損するかどうかを判断するだけでは足りず、その社会における位置・状況を参酌して審査しなければならない(大判明38年12月8日)。
   前記第1で主張したように、原告は「更生」や「社会復帰」の内容を具体的に明らかにできていないため、そもそも被告らによる事実摘示によって原告の社会的評価が低下することを主張立証できていない。
   また、原告は実刑判決を受けた女性教職員に対する強制わいせつ被告事件に加え、甲13等に記載されている女性留学生に対する性的暴行問題だけでなく、現在も同様の留学生に対する性的暴行とも評価できる性的関係の強要に起因するトラブルを理由に女性留学生から損害賠償請求の提訴をされており、同事件は東京地裁民事43部に係属している(原告:●●●●●● 被告:●●●●外 平成28年(ワ)●●●●●号)。このように原告は、●●●●大学に対し、強大な影響力を及ぼしつつ、出所後も性的暴行事件を複数回起こしていることからすれば、被告らの事実摘示によって、原告の社会的評価は何ら低下していないといえる。
  ⑵ 名誉棄損の違法性阻却について
   民事上の不法行為たる名誉棄損については、その行為が公共の利害に関する事実に係りもっぱら公益を図る目的に出た場合には、摘示された事実が真実であることが証明されたときは、右行為には違法性がなく、不法行為は成立しないものと解するのが相当であり、もし、右事実が真実であることが証明されなくても、その行為者においてその事実を真実と信ずるについて相当の理由があるときには、右行為には故意もしくは過失がなく、結局、不法行為は成立しないものと解するのが相当である(最高裁昭41年6月23日・民集20巻5号1118頁)。
   被告らが摘示する事実は、判決に基づくものであり、すべて真実である。通知書(乙13)等が摘示する事実の真実性については、原告の釈明の後、主張する。そのため、以下においては、公共性と公益性について主張立証する。
  ア 訴外NPO法人●●●●●●●●●●●の理事であることについて
   原告は、訴外特定非営利活動法人(NPO法人)●●●●●●●●●●●が平成25年10月31日設立されて以来、同法人の唯一の理事に就任している(乙5)。同法人は、東南アジア諸国からの日本への留学生に留学生活全般の支援をしていくことで、日本と東南アジア各国間の人材育成交流活動を行うことを目的としているようである(乙5)。また、同法人の資産の総額は、平成26年6月9日の登記時点において、金4081万5492円である。
   このように原告は、資産総額4000万円を超えるNPO法人の唯一の理事に就任しているのであり、社会的影響力の強い人物であるといえる。また、原告が、前記第2の1⑴でも述べたとおり、過去の性的暴行事件の被害者が女性教職員及び留学生であったことからすると、留学生の生活支援をすることを目的とする法人の理事という原告の地位と過去の性的暴行事件の関連性は極めて高いといえる。そうすると、留学生の生活支援を目的とする法人の理事が、女性教職員を被害者とする強制わいせつ被告事件により実刑判決を受け、出所後も留学生との間で性的暴行を問題視され、あるいは性的トラブルを繰り返し生じさせている事実等は、上記NPO法人の理事の適格性に密接に関連する事実であり、これはまさに「公共の利害に関する事実」であり、同事実の摘示が「公益を図る目的」であることは明白である。
 イ 訴外●●●●●●保育園の理事長をしていることについて
   原告は、訴外社会福祉法人●●●●●●●●●●●●保育園(以下単に「●●●保育園」という。)の理事長に就任している(乙6-1)。この●●●●●保育園は、●●●大学とグループ校の関係にある(乙6-2)。また、●●●●●保育園は、●●大学伊勢崎キャンパスからヤギの「こゆき」ちゃんを受け入れる等、●●大学と密接な連携をとりながら運営されている(乙6-2)。
   そうすると、●●保育園理事長である原告は、グループ校である●●大学に対し、影響力を有していたといえる。
   また、保育園理事長という地位それ自体が、社会的存在である保育園及び保育園が存在する地域社会に強い影響力を有する地位だといえる。子どもの健全な発育という観点からすれば、前記第2の1⑴と同様、被告らの摘示する事実は、原告の地位との関連性が高く、「公共の利害に関する事実」であり、同事実の摘示が「公益を図る目的」だといえる。
 ウ 原告の●●大学への関与との関係について
   答弁書でも述べたとおり、原告は、平成22年7月から、●●大学事務総長として雇用され、法人運営に関与してきた(乙7)。平成22年9月末、●●大学は、原告の雇用自体は解消したが、原告を一切大学法人に関与させない旨の文科省への報告後も、原告に対しコンサルタント料という名目で約1941万円の支払いをしていた(乙7)。それだけでなく、文科省の大学設置・学校法人審議会によると、元理事長である原告の大学法人に対する影響力の排除に関する実効性が担保されているか疑義があると認定され、●●大学に学部等の新設を認めない旨の答申がされているのである(乙7)
   原告が●●大学に対し、強大な影響力を有していなければ、出所直後に、刑事事件の現場となった大学法人に雇用されることなどあり得ない。まして、雇用を解消した後も、約1941万円もの金銭の支払いを大学法人から受けることができるなど、●●大学に対し、強大な影響力を有していなければ実現不可能なことである。これと、文科省審議会の答申及び乙4における原告の指示内容をも合わせ考えれば、少なくとも2012年の時点においては、原告が●●大学に対し、強大な影響力を有していたことに疑いはない。
   また、このような強大な影響力が突如として失われるのは通常考えられないこと、原告が現に●●大学と密接に関係する⑴⑵のような地位にあることからすれば、原告は、現在においても●●大学に強大な影響力を及ぼしているといえる。
 エ 小括
   以上、ア~ウからすれば、原告の現在の地位それ自体が強い影響力を有する地位であり、かつ原告が現在でも●●大学に対し強大な影響力を有していること、この地位と原告による過去複数回の性的暴行事件との関連性からすれば、原告が名誉毀損に該当すると指摘する事実は、「公共の利害に関する事実」であり、同事実の摘示が「公益を図る目的」であることは明白である

 2 プライバシー侵害について
   被告が引用する最高裁平成6年2月8日判決が挙げる判断要素に依拠したとしても、「プライバシー侵害」は認められないことを主張する。
  ⑴ 原告の生活状況について
   原告引用の判例では、「都内のバス会社に運転手として就職したこと」、「妻にも前科を秘匿していたこと」、「本土では新聞報道もなく、東京で生活している被上告人の周囲には、その前科にかかわる事実を知る者はいなかった」、「本件事件及び裁判から本件著作が刊行されるまでに12年の歳月が経過している」等、社会復帰に努め、新たな生活環境を形成していた事実を詳細に認定している。
   一方、本件では、前記第2の1⑵で述べたとおり、原告は社会復帰等の具体的内容を明らかにしないばかりか、出所後も性的暴行事件を起こしており、社会復帰に努めていたとは到底評価し得ない。
   したがって、原告は、前科にかかわる事実を公表されないことにつき法的保護に値する利益を有していたとはいえない。
  ⑵ 事件それ自体の歴史的又は社会的意義
   原告が実刑判決を受けた強制わいせつ被告事件(甲12)は、大学総長であった原告が、同大学の女性教職員複数名に対し、その権力関係を利用して、強制わいせつを行った事件である。罪名自体が強制わいせつという重大な人権侵害事件であること、大学総長という立場にある者が大学内で犯行を行ったという悪質な犯行態様などから、広く報道され、社会的にも大きく注目された事件である。大学の存亡自体が問われるほどの大事件(現に原告の影響力を排除できていないことを理由に新学部等の設立が承認されなかったことは前述のとおりである。)だといえる
 ⑶ 原告の社会的活動及びその影響力
   前記第2の1⑵で述べたとおり、原告は社会的影響力の強い地位にある。
  ⑷ 公表の意義及び必要性
   文科省答申でも言及されているように、原告の影響力を排除した大学運営を構築し、民主的な大学運営を目指すのは、学生の勉学にとっても、教職員の労働環境、教育環境、研究環境にとっても、必要不可欠なことである。このためには、原告による性的暴行事件や大学法人に対する影響力等について事実摘示せざるを得ない。
   また、原告の影響力が及んでいる大学等関係機関において、留学生・教職員等が原告による性的暴行の新たな被害者にならないためにも公表は必要不可欠である。
  ⑸ 小括
   以上より、仮に、原告が前科にかかわる事実を公表されない法的利益を有するとしても、前述のような意義・必要性を有する本件事実の摘示行為に優越する利益だとは到底いえない。

 3 結論
   以上より、被告らの事実摘示により、原告の社会的評価は何ら低下しておらず、仮に社会的評価の低下があったとしても、違法性阻却が認められ、被告らが名誉毀損について責任を負うことはない。また、原告がいう「プライバシー侵害」も認められない。


以 上

団体交渉開催の申し入れについて

2016年 6月10日
東京福祉大学伊勢崎キャンパス
事務局長  伊藤 伸一殿

交通ユニオン
執行委員長  関 常明

去る3月29日、労働条件確認訴訟の和解が成立し大学による田嶋組合員への嫌がらせ行為について謝罪文の表明がされました。あわせて当方は、並行していた田嶋組合員への名誉棄損に対する損害賠償請求訴訟を取り下げ、ホームページの記載を削除するなど、双方が和解条項に基づいて対応してきたところです。

しかしながら5月19日、田嶋組合員から●●学長を通して「秋学期から学部の授業を2コマ、大学院の授業を2コマ、入れてもらえるよう」●心理学研究科長及び●●心理学部長に申し入れを行いましたが返答がなく、秋学期からの田嶋組合員の授業担当について検討されないままになっています。
かかる事態は、先の和解を反故にするものであり認められません。

つきましては、下記の通り団体交渉の開催を申し入れますので、真摯な対応を求めます。

(以下略。全文は、こちら→「団体交渉開催の申し入れについて」)

上記「団体交渉開催の申し入れについて」に対し、6月17日付にて、大学側より、申し入れを拒否する旨の回答が送られてきました。
回答書(2016.6.17付)

回答書(2016.6.17付)(616.5KB)


そこで、交通ユニオンは再度、大学側へ次のような「団体交渉申し入れ書」を送付しました。

団体交渉申し入れ書

2016年7月5日
東京福祉大学伊勢崎キャンパス
事務局長  伊藤 伸一殿

交通ユニオン
執行委員長  関 常明

本年6月10日付書面にて団体交渉の開催について申し入れをさせていただきましたが、貴校からは拒否する旨の回答(6月17日付)がありました。
理由として田嶋組合員のホームページ上に「大学との争議に関する記載があり、和解条項に違反している」とのことですが、以下に当方の認識及び主張を述べます。

1.現在の記載は●●●●元総長からの提訴について、第1回口頭弁論の際に田嶋組合員が法廷で述べた意見陳述の内容である。
貴校に対しての記載ではない。

2.●●●●元総長からの提訴は、同氏及び貴校が一体となって田嶋組合員及び交通ユニオンにかけてきた攻撃として受け止め、ホームページを含め組織として対処する。

3.交渉受諾に際して田嶋組合員のホームページ内容に干渉し、その内容を理由に交渉を拒否するのは「正当な理由」とは言い難く、労働組合法7条2項違反の不当労働行為である。

以上の点から、あらためて団体交渉の開催を申し入れますので、7月13日までに書面による回答をお願いします。
日程については別途、調整するものとします。

                                            以上

上記「団体交渉申し入れ書」に対し、7月13日付にて、大学側より、次のような回答が送られてきました。
回答書(2016.7.13付)

回答書(2016.7.13付)(650.5KB)


被告意見陳述書

                             2016,5,17
                                  田嶋清一

私は、平成28年3月29日付けで、東京福祉大学との間に、4年余りにわたって続いた訴訟の和解が成立し、平成28年4月1日付けで、東京福祉大学教授の職に戻った者です。しかし、私は、その翌週の4月5日に、東京福祉大学元総長の●●●●氏から私と交通ユニオンを共に被告とする訴状(東京地裁、平成28年3月1日付け)を、自宅にて受け取りました。その訴状は、私と交通ユニオンが、●●●●元総長に対して名誉毀損とプライバシー侵害を行ったから5500万円支払え、とする、恫喝とも言える、到底、受け容れ難いものです。そこで、この4年余りにわたって続いた訴訟の背景にも、やはり●●●●元総長による恫喝があることについて申し述べ、全体の関連を明らかにします。

まず、4年余り前、平成24年1月25日付けで、東京地裁に、私が原告として東京福祉大学に対して解雇無効確認訴訟を起こしたのは、●●●●元総長によって、私が既に、度重なる恫喝を受けていたことによるものです。どんな恫喝かといいますと、(元総長の)妻と長男に働きかけて、彼らがいま就いている(東京福祉大学のグループ校である)東京福祉保育専門学校の理事長職と理事職を辞退させろ、それができなければ、田嶋は、首だ、と何度も言われて、実際に田嶋雇止めの書類が出たのです。しかし、平成24年1月25日付けで私が訴訟を起こしますと、●●●●元総長は、さらなる恫喝として、平成24年3月16日付けで、私がやってもいないセクハラとパワハラを捏造して、懲戒解雇の通知書を出してきました。しかし、一審東京地裁、控訴審東京高裁はいずれもセクハラなどの事実は認められないとして東京福祉大学への敗訴を言い渡し、平成27年1月29日付けで雇止めも懲戒解雇も無効であるとする判決が確定しました。

確定した判決に基づき、平成27年2月3日付けで東京福祉大学に復帰したところ、今度は、待遇は同じまま従前の週2日出勤から週5日出勤への変更、トイレへ行く際にも研究室を出る都度の報告義務、教員の中では唯一人総務課で朝9時夕18時タイムカードの打刻を求められる、研究室の前の名札の不設置、身分証・名刺の不交付、研究費不交付の通告、給与を5分の2に減額、賞与の未払い、授業はさせない・その予定もないとの制約、心理学部教授会と全体ミーティングでの発言阻止、発言すれば不規則発言とみなし懲戒処分にするとの通告などの嫌がらせと恫喝が続きました。よって、平成27年3月24日付けで労働審判を申立てました。そして平成27年7月3日審理終結、労働審判の主文及び理由の要旨は次のとおりです。(申立人 田嶋清一 相手方 学校法人茶屋四郎次郎記念学園)

 主文(抜粋)1 申立人が、相手方に対し、相手方の設置する東京福祉大学の心理学部専任教授として、週2日の出勤を超えて出勤する雇用契約上の義務を負わない地位にあることを確認する。6 相手方は、申立人に対し、相手方の設置する東京福祉大学の専任教授と同等の就業環境を整備することを約束する。
 理由の要旨 主文のとおり解決することが相当であると認める。

しかし大学側が(結論の先送りにも等しい)異議申立てをしたため訴訟に移行しました。
そこで、私は、はじめて、判決でいくら勝訴しようとも、大学は無視し続けるのだ、ということに気づきました。そこで、労働組合に入ることを決心し、交通ユニオンに加入し、弁護士も変更して、新たに労働組合と連携できる弁護士に依頼をしました。そして裁判資料をホームページにアップし、裁判の経過及び、留学生が大切にされているとは必ずしも言えない東京福祉大学の現状(●●●●元総長が8年前の事件以来、真に更生しているのか疑わしいと考えざるを得ない情報を含む)を掲載しました。交通ユニオンの活動として東京福祉大学伊勢崎キャンパス前、及び文科省前での街宣活動も行いました。

そうしたところ、田嶋名義のホームページの内容を取り下げるのと引き替えに大学は田嶋の要求を一定程度認めるという条件での平成28年3月29日付けの和解が成立したのです。しかし、その翌週届いた●●●●元総長による5500万円支払えとする新たな訴訟は、田嶋清一による一審二審労働審判での勝訴を無視するものです。そして、田嶋清一及び交通ユニオンによる、東京福祉大学の現状を民主化して改善しようとする正当な権利行使に対して恫喝するものであると思われます。

裁判所におかれましては、どうか厳正なる審理と適正な判断をお願いいたします。 
 
                                             以上

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関連文書

左記のPDF版(2016.6.10付)

団体交渉申し入れ書

団体交渉申し入れ書(203.9KB)


左下のPDF版(2016.7.5付)

被告意見陳述書

被告意見陳述書(113.6KB)


2016.5.17付
2016.5.17付
元総長による訴状

元総長による訴状(720.9KB)


2016.3.1付

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